貿易はどう変わってきたか<その3 輸入相手国>

輸入は1990年の33兆8,550億円から2012年には70兆6,740億円に36兆8,190億円増加して、この間に2.1倍に増えました。この間に名目GDPはほとんど増加していませんから、経済に占める輸入のウエイトがほぼ2倍増加したことになります。

この間に主要品目の輸入金額構成と輸入相手国がどう変わったのかを見ていきます。

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この間に輸入額が2倍に増加した要因は、鉱物性燃料機械類及び輸送用機器類雑製品の3つの品目であることが確認できます。これらの3つの品目の輸入相手国がどのように変わっているかを見ていきます。1つ目は鉱物性燃料(石炭・石油・天然ガス・石油製品)です。

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鉱物性燃料輸入は、1990年の8兆0,832億円から2012年の24兆0,784億円に15兆9,952億円も増加して、ほぼ3倍に増えました。この非常に大きな増加によって、カタール・オーストラリア・マレーシア・ロシア・クエートなどからの輸入が大幅に増え、逆にインドネシア・イラン・中華人民共和国などからの輸入はあまり増えませんでした。結果として、大幅な増加による中東依存度の大幅な増大は回避されているように見えます。この増加要因のほとんどは原油価格の上昇によるものです。

2つ目は、機械類及び輸送用機器類(製造建設機械・電気機器・自動車・船舶・航空機などの機械工業製品)です。

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機械類及び輸送用機器類輸入は、1990年の5兆4,703億円から2012年の15兆7,435億円に10兆2,732億円も増加して、ほぼ3倍に大きく増えました。この非常に大きな増加に伴って、中華人民共和国およびアセアン諸国からの輸入が大幅に増えましたが、アメリカ合衆国やヨーロッパ諸国からの輸入はあまり増えていません。この増加要因のほとんどは日本国内で製造していた工業製品の海外生産シフトによるものと考えられます。

3つ目は、雑製品(衣類・精密機器・雑貨など)です。

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雑製品輸入は、1990年の3兆9,129億円から2012年の7兆7,358億円に3兆8,229億円も増加して、ほぼ2倍に大きく増えました。この間、とくに中華人民共和国からの雑製品輸入は4,736億円から4兆5,090億円にほぼ10倍に飛躍的に増加しました。これに対して、アメリカ合衆国・大韓民国・フランス・イタリア・台湾・香港・その他の欧州諸国などの工業化が進んだ国々からの雑製品輸入は減少しています。これは、この間に中国の世界の工場化が著しく進行したことを示していると考えられます。

最後に、また全体を振り返って、日本の主な貿易相手国と二国間貿易収支の変化を見てみます。

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1990年には主要貿易相手国の圧倒的な第1位はアメリカ合衆国で、輸出13兆0,566億円・輸入7兆5,859億円・二国間貿易黒字5兆4,707億円でした。2012年のアメリカ合衆国との貿易は、輸出11兆1,848億円・輸入6兆0,818億円・二国間貿易黒字5兆1,030億円で、貿易額と二国間貿易黒字のいずれもが若干減少しました。

他方、この間に、中華人民共和国との貿易は、1990年の輸出8,835億円・輸入1兆7,299億円・二国間貿易赤字8,463億円から、2012年には輸出11兆5,110億円・輸入15兆0,337億円・二国間貿易赤字3兆5,227億円に拡大し、中国は日本の最大の貿易相手国になりました。この間に二国間貿易赤字は2兆6,764億円増加しました。

1990年と2012年の間に、日本の貿易収支は1990年の3兆3,855億円の黒字から2012年の6兆9,307億円の赤字に10兆3,162億円減少しました。その要因は、鉱物性燃料輸入額が約16兆円増加したこと、また、中国との二国間貿易赤字が約2兆7千億円増加したこと、したがって、自動車や工業部品などの輸出増加や雑製品輸入の減少で中国以外で約8兆円の貿易黒字の増加があったと理解することができます。

当然のことながら、この22年間の日本の貿易構造の変化は著しく大きかったことが改めて確認できます。

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