PLC接続を試す

予約していた問題のPLC(電力線搬送通信)アダプタセットが発売当日に届いたので、一応試しに接続してみました。

私の自宅は都心マンションなので、外回りはビルまで(いわゆる「ラストワンマイル」まで)光になっていて、ビル内は既設の固定電話宅内配線を使ったVDSLになっています。いわゆる「ラストワンメートル」対応としては、VDSLモデムに無線アクセスポイント兼ルータを100BASE/T LANケーブルで有線接続し、私のデスクトップPCとプリンターサーバは無線アクセスポイント兼ルータに100BASE/T LANケーブルで有線接続しています。3人の子供たち(の3台のPC)はそれぞれの部屋から無線LANを使って無線アクセスポイント経由でインターネット接続とネットワークプリンタ利用を行っています。

まず、PLCマスタアダプタをVDSLモデムに100BASE/T LANケーブルで接続し、私のデスクトップPCをPLCターミナルアダプタに100BASE/T LANケーブルで接続して、PLCによる接続テストを行ってみました。VDSLモデムと私のデスクトップPCは同じ場所にあるので、マスタアダプタとターミナルアダプタは同じ部屋の同じコンセントに接続されています。結論的には、何の問題も手間もなく、つなぐと同時に緑のPLCランプが点灯して接続が確立され、インターネットにも問題なく接続できました。いつも使っているインターネットダウンロード速度測定サイトを使って計測してみたところ、100BASE/T LANケーブル直接接続のときに約35Mbps(一応ベストエフォートは100Mbpsですが)で、途中にPLC接続を介した場合は約28Mbpsという結果になりました。多少減衰しますが、致命的に問題になるような低下ではありません。

現実的な使用として一番考えられるのは、LAN接続ポートを持つフルHD大画面テレビに使ってみることです。テレビのリモコンに「T-ナビ」というインターネット接続ボタンがあり、一応のブラウジング機能もあります。

居間の大画面テレビとPLCターミナルアダプタを100BASE/T LANケーブルで接続してみると、何故かPLC接続ランプが緑点滅したあと一旦赤く光ってから消灯してしまい、何度かやってみても接続は確立されません。

原因は明確ではありませんが、おそらく、VDSLモデムとテレビは別の部屋にあり、配電盤上で分離(分電)されていることが原因ではないかと推測されます。つまり、私のマンションは、配電盤で、部屋毎と用途(エアコンや電子レンジなど)毎に細かく沢山に「分電」されています。ですから、たとえ使用電気量オーバーでブレーカーが落ちても、消えるのは限定されたその部屋(や電気製品)だけで、他の部屋(や電気製品)の電源は落ちないような構造になっています。

付属の「ご使用の前に/困ったときには」を読むと、「使用環境について」で、『アダプターは、既存の電力線(屋内電気配線)を利用してデータ通信を行います。電気ノイズや電力線の長さ、ブレーカーの仕様の影響を受けることがあります。』と書いてあります。また最新情報はサポートサイトを参照してくださいとなっているので、そちらも見てみました。こちらのQ&Aには、もっと明確な回答がありました。

<Q>1階と2階で分電盤が別々になっている場合、お互いに通信できませんか?
<A>基本的には、分電盤の中だけでの使用が前提です。分電盤を介しての使用はできません

結論的には、そもそも私の自宅の環境では全く使えないものをよく注意書きを読まずに迂闊にも買ってしまったということです。分電盤を超えて通信できないのは、セキュリティ上や電波障害影響を抑制するという面では良いことですが、実際上ほとんどの家では少なくともキッチンや浴室などは「分電」されている(ブレーカーを別にしてある)のではないかと思われます。家電製品が集中するキッチンやバスルームと通信できないのであれば、家庭内の「ユビキタス」ネットワーク手段としては、少なくともこのPLCアダプタ(全てのPLC通信ということではありません)は使えないと思われます。

もともと電波障害が懸念されるのでテスト後は「お蔵入り」させるつもりでしたが、現に使いたいところに使えないことが分かったので、やはりこれで「お蔵入り」とせざるを得ません。困惑

<2007.1.9追記>
 テストしたPLCアダプタ自体をすでに手放してしまっていますが、その後得られた情報を総合すると、接続ができなかったのはおそらく、マスタアダプタ側を雷サージ対応コンセントに接続していたためと推定されます。

そもそも注意されている接続方法を行っていたのですから、接続できなかったことに文句はいえませんが、PCや家電製品を守れるならと思って我が家では雷サージ対応コンセントを基本使用しています。PLCが数少ない部屋のコンセントに直接接続するか雷サージ対応でないコンセントでしか使えないというのも使用側にとって利便性は良くないように思われます。

既往の電力線を使えるというメリットの側面と、電力線を使うことによって派生する問題の両面のバランス次第というのが総合的な結論ではないかと思われます。要するに、あらかじめ通信にも併用するという前提で電力線が設計施工されていることが最善の利用環境であると思われます。

コメント
専門家によると・・・ノイズの周波数帯が海上保安庁などの緊急無線に使われている周波数帯であり、人が生きるか死ぬかの時に通信が上手くできないという事がおこったり、心臓ペースメーカーに影響を与えるそうである。また、電波望遠鏡による天体観測に深刻な影響を与えてしまうとの事。本当にPLCは必要なのですか?
  • ハトリ
  • 2006/12/14 10:17 PM
PLCが使用する周波数を考えると...

一戸建てなら、電磁的にシールドされずに配線されているので、配線間での電磁漏洩を通して、分電盤越え(単三の別系統という意味)の通信が可能

マンションは、鉄管の中を通して配線するケースが多いと思うのですが(間違ってたらごめんなさい)その場合は電磁的にシールドされるので、分電盤越えの通信不可

なんて感じじゃないかと思いますが...
  • YASU
  • 2006/12/12 1:52 PM
ああ、すみません。 違う言葉で書いてしまいました。 言いたかったのはmomoさんの説明です。
  • 野々村
  • 2006/12/11 5:34 PM
日本のほとんどの家屋は三相電源
ではありません。単相3線式(単3)というやつです。3相を引いている家屋は普通はあり得ないと思います。
  • momo
  • 2006/12/11 5:23 PM
勘違いされてるかもしれませんので念のために。
分電盤とブレーカーは別物です。
一般的にマンションで分電盤が別々になっていることはありえないと思います。
  • あなお
  • 2006/12/11 1:18 PM
日本のほとんどの家屋は三相電源です。分電盤で同じ相に配線されていれば、屋内での分電盤を経由した通信はもちろんできます。分電盤を超えて屋外配線を経由する通信は違法行為となります。本来PLCには分電盤にブロッキングフィルターをつけないと漏れ出してしまうのですが・・・・ TDKのページにも詳しく書いてあります。
PLCを巡っては訴訟も起こされるなど賛否両論が加熱しているようです。
念のため、私が買ったものとは違う製品メーカーのサポートサイトを見てみました。こちらは電波障害などにかかる「注意書き」がはるかにずっと見にくく小さな表示になっている上、「分電盤を超える使用」はできないというアドバイスは見当たりません。もしかすると、「分電盤を超える使用」も可能なのでしょうか?
  • 2006/12/10 2:11 PM
自分が対価を払って購入した商品やサービスについては画像を借りたりリンクを張ったりしてきましたが、近頃、商標権やリンク許諾問題に少し気を配るようになり、少なくともネガティヴな意見を含む場合には商品名はともかく、画像を借りたり無断でリンクを張ることは自粛することにしました。

したがって、このテストレポートにも肝心のテストした商品の画像やリンクを行っておりません。
  • 3rdworldman
  • 2006/12/09 11:01 PM
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