携帯データ通信カードを試す

 故あって、当分の間、インターネットに接続できない環境で過ごさなければならないことになりました。まぁ、簡単に言えば、実質リタイアして、これまでPCやインターネットには無縁な人たちが入っていた個室に入ることになったのです。しかし、私にとっては、インターネット接続を断たれることは、社会から切り離されあたかも監獄に入れられたようなものです。

自分で勝手に専用固定電話を引くわけにもいかないので、インターネットに接続する方法は「電波」を使うしかありません。 インターネット接続に利用できる「電波」は、通常、携帯電話か公衆無線LANに絞られます。

PHSを含む携帯電話通信網を使用したデータ通信サービスの中で、保証されないカタログ上のスペックである「ベストエフォート」ベースで一番通信速度が速いとされているのは、おそらく<au by KDDIのCDMA 1X WINデータ通信カード>であろうと思われます。

auショップに申し込みに行ったら、多分申し込む人はもうほとんどいないためでしょうか、CDMA 1X WIN携帯電話の申込用紙を渡されました。これで良いんですかと念を押して確認してもらったら、やっぱり用紙が違っていました。申し込んでから2週間たって、やっとデータ通信カード「W03H」の現物が届きました。

早速、インターネット接続テストをしてみました。

カードを差込み、付属CDからドライバをインストールし、マニュアルに沿ってダイヤルアップ接続の設定を行うと、すぐに接続に成功しました。 常時接続になってからもう何年もの間ダイヤルアップ接続の設定などやった記憶がなく、何故かプラモデルを作るような手作りの懐かしさとうれしさを感じてしまいます。
標準設定として、「au.NET」をISP(インターネット・サービス・プロバイダ)としており、あえて他のプロバイダに変更しない限り通信料金以外に別途プロバイダ料金がかかることはないと理解されます(他のISPを使う場合に「au.NET」のISP接続料を減らしてもらえるとも書いてありませんから、わざわざ他のISPを使う人はいないでしょう)。

電波状態は、データ通信カードの表示ランプの点灯の仕方で表示されるようになっており、約5秒間隔で「緑色」のランプが「3回」点滅すると最も安定した通信状態(いわゆる携帯電話の3本状態)で、電波状態が悪くなる毎に点滅回数が2回・1回と減り、最悪の受信状態では「橙色」のランプの「1回」点滅状態になって、「圏外」では「消灯したまま」となる、という説明になっています。
使用場所は、オフィス街の分厚い壁のオフィスビルの2階にある、一応窓がある部屋で、その窓から2mほど離れたデスクの上です。

接続成功時は、「緑色ランプ点滅1回」(携帯電話であれば1本状態)の弱い電波状態です。そこで、付属の「外部アンテナ」を取り付けてみると、「緑色ランプ点滅2回」(携帯電話であれば2本状態)にまで改善されました。 携帯電話はVodafoneで、やはりここでは2本状態ですから、ここの電波状態はauの問題とは言えません。

この段階で、インターネット上のファイルダウンロード速度測定サイトを使ってダウンロード速度計測を行ってみました。結果は、「推定転送速度 163.895kbps(0.163Mbps) 20.31kB/sec.」となりました。

この接続状態で、auのホームページからユーティリティソフトをダウンロードしてインストールしてみました。

まず、推奨される「パケット通信最適化ツール」をダウンロードしてインストールすると、同じ測定サイトのダウンロード速度は、「推定転送速度 216.419kbps(0.216Mbps)26.93kB/sec.」にまで改善されました。画像の多いページや3MB以下程度までのファイルのダウンロードは、少し待たされますが、ブロードバンドにすっかり馴れてしまった感覚でも、なんとか我慢できる範囲の時間でダウンロードできそうな感じです。

速度はなんとか実用に耐えそうですが、「最大の問題」は通信コストです。

2年前に「最大通信速度2.4Mbps」を謳ってこのサービスが登場したときには申し込みが殺到したのではないかと思われますが、「最大の問題」は料金にあったようです。
通信カードキットの箱の一番上には、「定額料金ではないのでデータ量の多い通信を頻繁に行うとパケット通信料が高額になる場合があります(要旨)」という「ご注意」の紙が入っています。更にその上に、「お客様相談窓口」からわざわざ自宅に電話がかかってきました。上記内容と同じ注意内容の警告を伝えた上で、<1>パケット量・通信料をモニタするユーティリティソフトをインストールして使うことをお勧めします、<2>携帯電話との併用でセット割引が受けられます、というアドバイスがありました。おそらく、この2年間に、利用料請求を巡るトラブルが沢山発生したのではないかと想像させる、極端に過剰な対応振りです。

そこで、推奨に従って、auのホームページからユーティリティソフト「パケットカウンター」をダウンロードしてインストールしてみました。

そもそも、ビット・バイト・パケットというデータ量の「表示単位」が分かりにくいものです。速度の「bps」はビット単位ですが、バイトやパケットが何ビットでできているかは通信の仕様によって異なるのではないかと思われます。

「パケットカウンター」は、課金単位となる通信「パケット」量を計測し、わずらわしい計算上の問題をソフト側で対応して、接続切断時の「概算」の「パケット料金」と、その累計「積算料金」を表示してくれます。

「パケット単価」は契約コースによって違いますから、パケット単価設定は自分で変更できるようになっています。私は、通信単価が最も安く、したがって基本料金が一番高い、「WinシングルLL」契約をしましたので、月額基本使用料は11,800円(税込12,390円)、無料通信量は月1,500,000パケットで、それを超える通信を行うと1パケット当り0.012円(税込0.0126円)が加算されます。

「パケットカウンター」に単価0.012円を「設定」し、月1,500,000パケットすなわち積算18,000円相当を超えると、追加使用料金が発生することを目安に利用することになります。

そこで、実際にどんな使い方でどのくらいの料金になるのかという感覚を得ておく必要があります。「au by KDDI」のホームページは、トップに大きなフラッシュムービーがあり、かなりデータボリュームがあります。全てのフラッシュムービーをダウンロードしてページが表示されてから接続を切ると、「パケットカウンター」の表示は、7,180パケット、概算料金は87円になりました。概ね、このくらいのデータ量のホームページを月に200回くらい開くと、基本料金を超える料金がかかってくるということかと略略「推計」されます。ガンガンとインターネットサーフィンをするのは自宅のブロードバンドの環境で行い、モバイル接続ではできるだけ気をつけながら必要なものだけにアクセスするようにすれば、この利用量をあまり超えないようにしながら使うことはできるのではないかと思います。(ちなみに、ダウンロードデータ量測定サイトで計測すると、「au by KDDI」のホームページは、250,734バイトすなわち2,005,872ビットですから、1パケットは約280ビットという計算になります)

最後に、「au by KDDI」の携帯電話契約をすると「Winシングルセット割」が適用され、「WinシングルLL」の月額基本料金は11,800円(税込12,390円)から7,800円(税込8,190円)に4,000円(税込4,200円)も安くなります。私は、携帯電話がないと多少困りはしますが、実際の使用頻度は著しく低いので、MNP(Mobile Number Portability)を使ってauに変更することにほとんど問題はなく、むしろこの割引が使えるメリットの方がはるかに大きくなります。これによって、最初の1,500,000パケットのパケット単価は0.0052円となり、あるいは割引前料金で使用可能なパケット量が約22%増えるという計算になります。


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